音楽ファシリテーター みのうらやすよ(Cumin)による
多様なスタイルによるmusic makingの場作り。
音楽で人と人をつないでいます。
クラスに通うということについて
クラスに体験にいらした方が、驚くことはいくつかあります。
そのうち、子ども達に関して、一番よく驚かれるのは「お片づけ」です。
私はただ「バーイ、バーイ♪」といつも同じ音の取り方で歌うだけで、まるで子どもたちは魔法にでもかかったように我先にと使っていたものを返しにきます。もちろん、なかには返したくない、としっかり握りしめる子もいます。
そんなときは、「今は返したくないんだね。いいよ、後で返してね。」とそのままにしておきます。まだ小さい場合は、そのうちに興味がそれて手を放してしまいますし、大きな子は自分で持ってきてくれたりします。
子どもは、大人が思ってる以上に力があります。
自分が「そうしなきゃ」と思えたなら、ちゃんと行動してくれます。
私は大声を出したり、指示をしたりしません。ただ歌うだけです。
このことに限らず、クラスでの振る舞い方が、子どもの頭ではなく肚に落ちるようになるまでは、すこし時間が必要です。(大人だって数回こないと慣れませんよね。)クラスは毎回「同じ」部分がきちんと決まっているので、子どもたちはその「いつも同じ」というところに安心感を見出します。特に幼児期は繰り返しがとても大事です。
よく「毎週通うのはちょっと大変」「単発で参加したい」というお声をいただきますが、このプログラムは丁寧に時間を重ねていくからこそ、子どもの持つ本来の力を引き出していけるのです。
今期も産休でしばらくお休みしていたママたちが、生後2ヶ月とか3ヶ月の下の子も連れて、クラスに戻ってきてくださいました。単に楽しいだけでなく、音楽の能力を育むことが、子どもの様々な学びの助けになっていることを実感してくださっているのだと思います。
曜日がまだわからない幼児さんが、クラスのある日の朝は、いつも持って行くソングブックの入ったバッグを持って玄関で待っていたり、教室のある会場の前を通ると「ハローに行く!」と言いだしたり。
小さな子を毎週同じ時間に連れて行くのは、本当に大変だと思います。
思うように支度は進まないし、出がけにいろんなことが起こったり。また子どもはどうしても熱を出したり、体調を崩すことも多いですね。
そのため、休まれた場合の振替にはかなり柔軟に対応しています。
積み重ねていく時間に比例して、子どもたちが変化や成長ぶりを見せてくれます。ひとりひとり顔が違うように、性格も学びのスタイルも様々なので、かかる時間は予測できません。でも、あるとき突然、まるで花が開くように、蛹が蝶になるように、とても大きな成長ぶりを見せてもらえることがあります。それはそれは、いつもとても素敵な瞬間で、一緒にいる他のママたちまでハッピーになります。
クラスに通う、ということの意味をぜひ考えていただきたい、と願っています。